シナリオ 異界からの転校生 前編

 
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第1話:勇者の学園

チャプター 1


中央大陸に、エスタリアと呼ばれる場所がある。
そこには様々な力を持つ子供達が集う、特殊な学園があった。
学生達は、学園で暮らしながら力の使い方を学んでいるのだ。
その学園は、勇者学園エスタリアと呼ばれていた。
夢ノ国の救世主「勇者」に、ちなんで付けられたものだ。

ハムト「勇者も学校は面倒だと思うお年頃かニャ?
    それとも、学生時代は良かったニャ~。と思い出す年頃かニャ?
    今回、勇者とハムトは勇者学園エスタリアに向かっているのニャ。
    ニャンでかって?よくぞ聞いてくれたのニャ!!
    今回、ハムトは勇者学園に特別講師として招かれたのニャ。
    ニャハムート族の超エリートにして、勇者の相棒だからニャ。
    呼びたい気持ちもわかるのニャ。」

アレウス「あまり興奮するな。これも大事な使命の一つなんだぞ。」

ルー「実は、勇者学園に異常な魔力の上昇を感知したのです。」

トト「今の所は何も問題無いんだけど、勇者のヒトには学園を調べて欲しいと思ってるんだー。」

ハムト「なんニャ。仕事っぽいニャ。」

テラス「ハムトを特別講師に招いたのは本当なんでしょ?」

アレウス「ああ、是非学園で講義して欲しいとの事だ。」

ハムト「ふっふーんニャ。まぁ、勇者の相棒ハムトと言えば有名人だからニャ。
    セレブってやつニャ。」

テラス「(ほとんど、勇者様のおかげな気がするんだけどな)」

ルー「これまでの旅の話等を生徒たちにしてあげてください。」

ハムト「任せておくのニャ。」


チャプター 2


小高い丘を越えると、奇妙な建物が立ち並ぶ街が見えた。
城、大聖堂、神社、寺、巨大な像が街の中にいくつもあった。

ハムト「な、なんかカオスな街ニャね……。」

トト「色々な生徒が来るからねー。」

テラス「冒険者になって夢ノ国のために戦う人もいるんだよ。」

アレウス「他の世界から修行に来ている者もいる。」

ルー「様々な生徒に対応出来るのが魔法学園エスタリアなのです。」

ハムト「ところで、勇者はどうするニャ? 勇者もゲストニャの?
    正直、勇者がゲストだとハムトの存在がかすむのが心配ニャ。」

アレウス「勇者には転校生として学園に潜入してもらう。」

ハムト「マジでかニャ!! バレるんじゃニャいの?」

アレウス「その心配は無い。私の結界術で勇者の潜在能力が計れないようにする。」

ルー「私の魔法で、生徒から勇者と認識出来ないようにします。」

ハムト「な、なるほどニャ。色々出来るのニャ。」

トト「念のため、勇者のヒトが、装備を変えて、学生っぽい服に変装してもいいんだよ。」

ハムト「オシャレ装備ニャね。」

テラス「夢ノ国の人達は、変な格好している人多いから大丈夫だよ。」

アレウス「私たちは魔力の異変を調査する。」

ルー「万が一の場合、被害が広がらないように外で備えておきます。」

テラス「私も魔法学園の生徒になりたいなぁ……。」

トト「そうだねぇ。ボクらには学生生活の思い出なんて無いもんなぁ。」

ハムト「遅刻、早弁、早退が楽しいニャ。」

トト「学生時代から、ハムのヒトは変わってないんだね。流石、ニャハニート。」

ハムト「うっさいニャ!!」


チャプター 3


ヌーヴェル「うぅん? ああ、どうもどうも。」

禍々しい魔力と瘴気を振りまきながら、怪しい男が近付いて来た。

ハムト「ニャニャ!! 悪の魔法使い現るニャ!!」

ルー「その人は勇者学園の教師ヌーヴェルさんです。」

テラス「顔色悪いけど大丈夫ですか?」

ヌーヴェル「いやあ。全然大丈夫ですよ。吾輩は、いつもこんなものです。」

ハムト「顔色悪いってレベルじゃないニャ……。」

トト「ヌーヴェル先生は闇の魔法の専門家なんだ。
   闇の魔法や毒の実験の影響でいつも顔色が悪いんだよねー。」

ハムト「知り合いなのニャ?」

ヌーヴェル「吾輩とトトさんは共に黒キ者が生み出す魔獣の研究をしております。」

アレウス「勇者よ。私たちは、ここまでだ。あとはヌーヴェルさんにお任せする。
     ヌーヴェルさんは、貴殿の転入するクラスの担任なのだ。」

ルー「ヌーヴェルさんは、学園に生じている魔力の異常の件も知っています。」

ヌーヴェル「吾輩ごときが、勇者様に授業をするとは緊張しますなぁ。
      勇者の相棒ハムトさんの特別授業にも期待しております。」

ハムト「任せておくニャ。ちょうど先日あのギルガメッシュと戦ったのニャ。
    勇者&ハムトVSギルガメッシュエンキドゥの戦いの話をしてやるニャ。
    夢ノ国コンビ王決定戦の話は盛り上がるはずなのニャ。」


第2話:転校生は勇者

チャプター 4


あなたはヌーヴェルに連れられ学園へと向かった。
学園内は都市のようになっており、様々な施設があった。
服屋、武器屋、カフェ、レストラン等が立ち並んでいた。

ヌーヴェル「勇者様、ハムトさん。必要な物は学園で全て揃います。
      それ以外の物が欲しい時は吾輩に言ってください。
      実験用の機材や、護身用の武器など何でも揃えますよ。」

ハムト「そ、そんなもんいらないのニャ!!」

ヌーヴェル「冗談ですよ。冗談。ガッハッハッハ。」

ハムト「この、おっさんが言うと冗談に聞こえないニャ。
    勇者、見るのニャ。ハムトという有名人がいながら、生徒は誰も近寄ってこないニャ。
    おっさんが怖すぎるからニャ。」

ヌーヴェル「ところで勇者様。ご相談があります。
      一応、吾輩の生徒になってもらうわけですよね。
      勇者様と呼ぶわけにはいかないので、何か名前が必要だと思うのですよ。」

ハムト「そうニャね。潜入捜査には偽名が必要だもんニャ。
    ティーニャとか、ユーニャとかどうニャ。」

ヌーヴェル「無駄に猫っぽいですねぇ。」

ハムト「うーん。ハムトの名前を上手く使って考えてあげるニャ。ハム。トムハ。ニート。
    ニートはダメニャ!! って自分ツッコミかニャ!!
    ハムー・トッターってどうニャ。男子でも女子でもいける良い名だと思うのニャ。」

ヌーヴェル「うーん……。トッターの部分だけ使いましょう。」

ハムト「ハムーも良いと思うんだけどニャ。」

ヌーヴェル「勇者様。吾輩は生徒を「君」をつけて呼ぶので「トッター君」と呼びますね。」

ハムト「勇者を別の名前で呼ぶのは新鮮なのニャ。
    それでは、行くのニャ。トッター君。ニャフフフ。」


チャプター 5


マオ「ねぇねぇ。新しい転校生ってどんな子なんだろう。強いのかなぁ?」

ユーリン「この勇者学園に集う生徒は強さだけを基準に判断してはいけません。
     愛、正義、友情、品格、知性を備えた者だけが上に進めるのです。」

シャオ「いつものが始まってしまいましたね。」

ユーリン「上とはつまり、「勇者」。黒キ者を倒す夢ノ国の救世主。
     嗚呼、今戦っている勇者様はどんな方なのでしょう。
     きっと、神のように神々しい方だわ。
     だって、神官様より強い力を持ち、伝説のニャハムート族に選ばれた人ですもの。」

シャオ「ニャハムート族のハムトが特別講師として我が校に来るそうです。」

ユーリン「なんですって!! あのハムト様がっ!!」

シャオ「先日、かの有名なギルガメッシュの相棒エンキドゥと戦い勝利したそうです。」

ユーリン「流石、ハムト様!!」

シャオ「別の噂もあります。」

マオ「お? なになに?」

シャオ「ハムトは、勇者の相棒とは口だけで、働かないという話です。」

ユーリン「それはありえません。ニャハムート族は様々な世界の勇者に仕える種族。
     勇者をサポートするために英才教育を受けているのです。」

シャオ「神官トトには「ニャハニート」と呼ばれているという噂もあります。」

マオ「ブッ……ハハハハハハハ!! ニャハニートって!!」

ユーリン「そんな噂。あの憎き黒キ者が流した根も葉もない噂です。」

マオ「まぁ、本人が来るってんだから、会って確かめよう。」

シャオ「そうですね。」


チャプター 6


あなたは一旦ハムトと別れ、ヌーヴェルと共に教室へ向かった。

ヌーヴェル「先程のバカ笑いはマオ君ですね。廊下まで聞こえてきましたよ。」

マオ「あ、先生。笑い声聞こえちゃいましたか。すみませんでしたぁ!!」

ヌーヴェル「他のクラスは授業は始まっているので静かにするように。」

マオ「先生!! その人が転校生ですか?」

ヌーヴェル「そうです。転校生のトッター君です。トッター君自己紹介をしてくれたまえ。」

あなたは生徒たちに自己紹介をした。

ユーリン「素晴らしい自己紹介でした。共に正義と世界平和のために戦いましょう。」

シャオ「よろしくお願いします。トッターさん。」

ヌーヴェル「確か、ハスマット君の横の席が空いていましたね。」

シャオ「先生。ハスマット君は、まだ来ていません。」

ヌーヴェル「彼も懲りない奴だな。」

マオ「おっと自己紹介を忘れてた。あたしはマオ。こっちは妹のシャオ。」

シャオシャオです。」

ユーリン「2人は正反対の性格をしているんですよ。」

マオ「姉妹と言っても友達みたいなもんだよ。」

ユーリン「私はユーリン。このクラスの学級委員と学園の生徒会長をしています。」

マオ「ちょっと堅苦しい奴だけど勘弁してくれよな。」

ヌーヴェル「挨拶はそれぐらいにしましょう。いつも通り実習をやりますよ。」

シャオ「トッターさんはいきなり戦闘訓練を始めて大丈夫なんですか?」

ユーリンシャオ。私たちは夢ノ国を護るために、この学校で学んでいるの。
     私、トッターさんの中に熱い正義の心を感じるの。
     きっと、この試練を乗り越えてくれるわ!!」

ヌーヴェル「トッター君。吾輩のクラスは特務生を扱っていましてね。
      学園の中でも、特殊な力を持つ者を集めているんですよ。
      よく言えば、個性が強い。悪く言えば癖が強い。」

マオ「いや、先生が一番癖が強いと思うんだけどね。」

ヌーヴェルマオ君。何か言ったかね?」

マオ「な、なんでもありません。先生!!」

ヌーヴェル「それでは授業を始めよう。」


第3話:GTH

チャプター 7


あなたが授業を受けている頃。ハムトは買い食いをしていた。

ハムト「買い食いするのは学園生活ならではニャ。
    ウマウマなのニャー。学生時代に戻ったようなのニャ。
    でも、授業をサボってする買い食いの背徳感はないニャ。
    ハムトも立場が変わってしまったからニャ。
    若い頃はヤンチャしていたハムトも、今は人を導く教師なのニャ。
    特別講師ハムトさんなのニャ。ニャンでも相談にのるぜ若いの? ニャンてな。」

ハスマット「遅刻、遅刻!!」

ハムト「は? ニャ? ギニャーーーー!!」

突然飛び出してきた男子生徒とハムトは正面衝突をした。

ハスマット「いてて……。」

ハムト「なんニャ、お前。ここの生徒かニャ!!
    学園モノでぶつかってくるのはパンをくわえた美少女ニャ。
    いきなりお約束を破るなんて、なんて奴なのニャ。」

ハスマット「ごめんなさい……。」

ハムト「(ん? こいつ生徒って事は、ハムトの授業を受けるかもしれないニャ)
    (悪い印象をもたれて言いふらされるとマズイのニャ)
    まぁ、このハムトもよく遅刻したもんニャ。
    このまま行ったら怒られちゃうのニャ。ハムトと一緒に行けば怒られないニャ。」

ハスマット「あ、あなたは一体……。」

ハムト「勇者の相棒ハムトニャ。」

ハスマット「え、マジですか!! あ、あの黒キ者と戦っている勇者の相棒ハムト様ですか!!」

ハムト「そうニャ。そして、今はGTHと呼ばれているニャ。」

ハスマット「じー、てぃー、えいち?」

ハムト「グレート、ティーチャー、ハムトニャ!!」

ハスマット「(思っていたよりバカっぽい気がする……)」


チャプター 8


マオ「すごいな。トッター。強いじゃないか。」

シャオ「私が噂を聞いた事がないなんて。一体何者なんですか?」

ユーリン「素晴らしいわ。あなたの正義の心。トッターさん。
     今日から、私とあなたは勇者の座を共に競うライバルよ!!
     (嗚呼、私、こういうシチュエーションに憧れていたの……)」

ヌーヴェル「静かに!! トッター君。あまり調子にのってはいかんよ。」

マオ「トッター。先生は、いつもあんなだから気にするなよ。」

シャオヌーヴェル先生は生徒を甘やかさないのです。」

マオ「あいつも毎回酷い目にあうのに懲りないなぁ。」

シャオ「トッターさんの隣にいるはずのハスマット君の事です。」

ユーリン「そろそろですわ……。自業自得とは言え可哀想に。」

ヌーヴェル「それとトッター君。この学園では学内で普通に魔獣が出現する。」

マオ「訓練のうちなんだってさ。」

シャオ「倒した魔獣の金貨やDPは自分のものして良いのです。
    小遣い稼ぎにもなる良いシステムです。」

ユーリン「勇者になるには常在戦場の心構えが必要ですからね。」

マオ「じょうざいせんじょう? 錠剤洗浄?」

シャオ「日常が戦場のつもりでいろと言いたいのでしょう。」

マオ「なぁ、トッター。そこらの魔獣を倒して焼きそばパン買おうぜ。」


チャプター 9


ハムト「お前ハスマットって言うんニャね。」

ハスマット「ハムトさんと一緒ならば、絶対に怒られないんすよね?」

ハスマット「任せるニャ。このハムトさんに任せておくニャ。」

ハスマット「呪いも大丈夫なんすか?」

ハムト「呪いって何ニャ。」

ハスマットヌーヴェル先生は遅刻した生徒に呪いが発動するようにしているっす。」

ハムト「と、とんでもニャい先生ニャね!!」

ハスマット「勇者の相棒だから、呪いを解く魔法とか使えるんすよね?」

ハムト「……。」

ハスマット「つ、使えないんですか!! GTHなんっすよね!!」

ハムト「……。いや、生徒は遅刻しちゃダメニャ。可哀想だけど罰として呪いは受けるニャ。」

ハスマット「そ、そんなー!!」

その後、ハスマットは急激な発熱と悪寒、全身の痒み、関節痛、花粉症に襲われた。

ハスマット「アガガガガガガ……。」

ハムト「ヌーヴェルって奴、ここまでやるかニャ……。
    こんな目にあうニャら、遅刻しなければいいニャ。
    ひょっとして、こいつ、ハムトが連れていかないとダメなのかニャ……。」


チャプター 10


ハスマット「うう……。酷い目にあったっす……。」

マオ「おお、ハスマット。また遅刻か。懲りないねぇ。」

シャオ「トッターさん。この人がハスマット君です。」

ユーリン「まったく……。少しは勇者候補生のプライドを持って欲しいものです。」

シャオ「成績は、戦技、武術、魔法、治癒、特殊、全部並。
    勉強も並。生活態度は悪く、遅刻の常習犯です。」

マオ「うちの学校は早退は出来ないんだよ。治癒の魔法で瞬間的に治されちゃうから。」

ハスマットハスマットっす。よろしく、トッターさん。」

シャオハスマット君の昔の経歴はよくわかっていません。」

ハスマット「普通の学生っすから。」

シャオ「特殊な力を持っていないと、うちの学校は入れないんですけどね。」

ハスマット「う、運が良かったからじゃないかなぁ。
      それより、俺、あのハムトさんに会ったんすよ!!」

ユーリン「え!? あのハムト様に!!」

マオ「どんな奴だった?」

シャオ「ニートでしたか?」

ハスマット「なんか、大物臭と小物臭が混ざった感じの人だったっす。
      遅刻して呪いで倒れた俺を学園内まで運んでくれたんだ。」

ユーリン「流石、ハムト様。慈愛の化身と言っても良いわ。」

ハスマット「その後、「お礼をするニャ」と言われて購買で色々奢らされたっす。」

ユーリン「貸し借りは無しにしたいって事です。潔いです。
     さらに、伝説の英雄ならではの豪快さを感じさせます。」

マオ「……。お前、勇者の相棒の事なら何でも肯定的に受け止めるなぁ。」

シャオ「私の情報も、あながち嘘ではなさそうですね。」

マオ「お、先生来たぞ。静かにしないとヤバイ。」

ヌーヴェル「皆さん。それではハムト先生による特別講義が始まります。
      最後まで静かに聞いてくださいね。」

ハムト「……。」

ヌーヴェル「ハムトさん。どうぞ。」

ハムト「(ヤバイニャ。頭真っ白で何話していいかわからないニャ)
    あー、えーニャ。勇者の相棒ハムトニャ。
    学園ではGTH。グレート・ティーチャー・ハムトと呼んで欲しいのニャ!!」

教室は静寂に包まれた。

ハムト「(す、滑ったニャ。ヤバイニャ)」

ヌーヴェル「ハムトさん。勇者の相棒とは普段どんな生活をしているのですか?」

ハムト「(お? 呪い教師ナイスなのニャ)
    勇者とハムトは日々夢ノ国の開拓のために旅をしているのニャ。
    勇者は、すごい強いんニャけど、ハムトがいないと寂しがるのニャ。
    勇者の相棒として炊事洗濯、戦闘訓練何でもこなすニャ。睡眠は3時間ニャ。」

ユーリン「ハムト様。素晴らしいです。」

マオ「本当かなぁ。トッターはどう思う?」

シャオ「すごい話を盛っている気がしますね。」

ハムト「みんな、神官様って呼んでるけど過大評価ニャ。
    まず、ルーニャ。ルーは真面目だけが取り柄の面白みのない女ニャ。
    付き合いたいと思う男子がいるかもしれないけど止めたほうがいいニャ。
    アレウスは頭コチコチの堅物な割に天然なところもあるニャ。
    まぁ、アレウスに憧れる女子はいないと思うニャ。いても止めておくニャ。
    神官一、残念な娘テラスもいたニャ。
    交心術で夢ノ国の住民に呼びかける事があるニャ。
    だから、知っている人もいると思うニャ。
    交心術だけが取り柄の頭空っぽ娘ニャ。
    最後にトトニャ。こいつは性格がひねくれているニャ。
    千里眼の術を使って人の弱みに付け込む最低な奴なのニャ。信じたらダメニャ。」

ユーリン「ハムト様。トークがお上手ですわ。
     神官様の話を面白く可笑しく伝えてくれたのですね。」

マオ「いや、あれ完全にマジだぜ。本当に仲悪いんじゃないか。」

シャオ「それかハムトさんの性格が悪いかのどちらかですね。」

ハスマット「トッターさん、勇者って大変だと思わないっすか?
      あのハムトさんと毎日一緒にいるなんて……。」
      はっ!? もしかして勇者ってハムトさん以上に濃いキャラなのかもしれないっすね。」

かくして、あなたの学園生活が始まった。


第4話:学園天国

チャプター 11


ヌーヴェル「魔力とは何か? わかる人はいますか?」

シャオ「はい、魔力とは超常的な力の総称です。
    武術家の「気」。治癒魔法の「奇跡」等も魔力の一部です。」

マオ「ふーん、つまり凄い力って事か。そんな事知って役に立つのかな。」

ヌーヴェル「知識を役に立たせる事が出来るのは、その人次第です。
      知識を増やせば、それだけ選択肢が増えるのです。
      「筋力」と「気」がなければ、あなたもハンマーを振り回せません。」

マオ「確かに、そうだなー。」

ヌーヴェル「知識も脳の筋力みたいなものなのです。鍛えないとバカになります。」

ハムト「(呪い教師、普通に先生してるニャ。でも先生って退屈ニャ~)
    (どうせ、ハムトはやる事ないし、屋上で日向ぼっこするニャ)
    (勇者、ごめんニャ。GTHは不良教師なのニャ)」


チャプター 12


勇者学園エスタリアを一望出来る屋上。
ハスマットは青い空を見上げ、寝転んでいた。

ハスマット「あー、めんどくさ。勇者になんかなりたくないっての。
      よりによって、この俺が、なんでこんな学校に来ないとならんのだ。
      しかも周りには面倒な奴らばっかりだしよー。
      俺には、もっと相応しい役割があるはずだ。」

シェルティー「ニャンバンニャハハハハ。」

アレウスと学園の結界をいとも容易く破り、突如現れた者。
彼女の名は南蛮シェルティー。黒キ者の配下「シ凶」の1人である。

ハスマット「おわ!? シェルティーさん!?」

シェルティー「そろそろ力を解放していいニャ。」

ハスマット「いやー、まだこっちの世界に慣れてなくて……。
      制御出来ないんですよ。」

シェルティー「ニャんだか嘘っぽいニャ。クラスの連中に情が移ったんじゃないかニャ?」

ハスマット「いやあ、勇者になろうっていう連中と仲良くなれる訳ないじゃないですか。」

シェルティー「ふーん。おっと、バカ猫がこっちに来たみたいニャ。
       バカ猫、ここで殺しちゃってもいいけど、今回の任務は違うからな。」

シェルティーは次元を爪で切り裂き、消え去った。

ハムト「おー、ハスマットじゃニャいか。こんなところで何やってるニャ。」

ハスマット「あ、いや、ちょっとサボってたっす。」

ハムト「……。ニャンかちょっと変ニャ。」

ハスマット「(げ、シ凶と会っているのバレたか)」

ハムト「お前、カレーパン持ってるニャ?」

ハスマット「あ、はい……。」

ハムト「没収ニャ。」

ハスマット「す、すみません。(気付かない……。こいつ本当に勇者の相棒なのか?)」

ハムト「カレーパン美味いニャァ。」


チャプター 13


マンドラ先輩「おお~、授業中に先公と一緒にサボるなんて悪になったじゃねぇぁかぁ。」

ハスマットマンドラ先輩!!」

ハムト「は? ニャ? 誰ニャ。顔濃いニャ~。」

マンドラ先輩「俺はマンドラ族のマンドラ。人にはマンドラ先輩と呼ばれている。
       まぁ、学校一の悪って奴だぁ。」

ハムト「自分で悪っていうのが痛いニャ……。」

マンドラ先輩「あんたが、ジィー・ティーエイチィのハムト先生かぁい?」

ハムト「こいつにGTHと呼ばれるとムカつくニャ。」

マンドラ先輩「俺は、いつでも待ってるぜぇ。ハスマット。」

マンドラ先輩は肩(?)で風を切って去っていった。

ハムト「あいつハスマットの友達なんかニャ。」

ハスマット「いやあ、先輩っすね。
      この学校は勇者や冒険者だけじゃなく従者や使い魔も勉強してるんす。
      ハムトさんも勇者の相棒になる前は勉強しませんでした?」

ハムト「ニャハムート族にも学校はあったニャ。
    まぁ、ハムトは優秀だったので、学校なんてチョロかったのニャ。」

ハスマット「それぐらいじゃないと勇者の相棒にはなれないんだろうなぁ。」

ハムト「マンドラ如きじゃ、勇者の相棒なんて無理ニャ。」

ハスマットマンドラ先輩は闇や魔の力を使う人用の従者っすからね。」

ハムト「確かに呪い教師とは良いコンビにはなりそうニャ。」


第5話:地獄の学園祭準備

チャプター 14


ユーリン「ところでトッターさん。そろそろ私たちの学園では文化祭があります。」

シャオ「「聖王祭」 と言われる伝統のある文化祭です。」

マオ「屋台や出し物を、みんなでやるんだ。楽しいんだよ。」

ハムト「お好み焼き食べたいニャー。」

ユーリン「ハ、ハムト様!? 何故、ここに。」

ハムト「お前たちの班のハスマットがサボっていたから連れてきたのニャ。」

マオ「お前、またヌーヴェル先生に呪いかけられたいのか?」

ハスマット「さっき、呪いが発動して、また死にかけたよ……。」

ユーリン「まったくしょうがない人ですね。」

マオ「クラスの出し物もあるんだけど、個人で何かやってもいいんだ。
   トッターは何かやる?あたしは屋台で鉄板やろうと思ってるんだ。
   ハム先生に食べに来てもらおうかな。アハハ。」

ハムト「おお、任せておくニャ。って、ハム先生じゃなくてGTHニャ。」

ユーリン「私は生徒会で文化祭を運営しないといけません。」

シャオマオ姉は個人でやるとして、クラスは何がいいですかねぇ……。」

ヌーヴェル「お化け屋敷なんかどうでしょう?」

ハムト「おわ、いきなり出てくんニャ。超怖いニャ。寿命縮んだニャ!!」

ヌーヴェル「吾輩の闇の魔法で最恐のエンターテインメントを演出してあげますよ!!
      フハハハハハハハハハハ!!」

ハムト「本当に悪人みたいニャ……。」


チャプター 15


結局、あなたのクラスはお化け屋敷ではなく、勇者ダンジョンをやる事になった。
そして、本格的な演出をするために、本物の魔獣を捕獲する事になったのだ。

ハムト「ここ何処なのニャ……。」

ハスマット「訓練用の塔っすね。」

ユーリン「ここの魔獣は負の感情から作られた物ではありません。」

シャオ「擬似的に造り出した魔獣です。」

マオ「だから、命までは奪われないから安全なんだよ。攻撃はしてくるけど。」

ハムト「充分、危ニャいニャ!!」

シャオ「王都のコロシアムのような物だと思ってください。」

ハムト「そうニャ。危ニャいのに、どうしてついてきてしまったのニャ!!
    (いつも勇者と一緒にいるから、ノリで来てしまったニャ)
    (まぁ、勇者がいるから安全だからいいニャ)」

ユーリン「では、皆さん。誰が一番多く魔獣を倒せるか勝負です!!
     トッターさん。私、絶対負けませんからね!!」

シャオ「捕獲だと言ってるのに……。しょうがないわね、ユーリンは。」


チャプター 16


シャオ「トッターさん、今度は異世界の平原です。」

ハムト「色んな世界に行けるのニャ。」

シャオ「夢ノ国は異世界と繋がっています。
    その性質を上手く使い、短い時間だけ多次元と繋げるのです。
    皆さんが倒した魔獣は、オーブに封じ込めます。」

ハムト「ニャルほどニャ。危なくないのニャ。」

シャオ「倒した魔獣は実体を持っていますが、無害です。」

ハムト「そうじゃないと、勇者ダンジョンでは使えないものニャ。」

シャオ「倒す前は本物ですからね。それは、皆さんに頑張ってもらわないといけません。」


チャプター 17


マオ「うーん、トッターに捕獲数で勝てないなぁ。
   トッターって、実戦慣れしてるよね。小さい頃から戦ってたとか?」

ハムト「ニャッハッハ。当たり前ニャ。トッターは、ゆ……。」

マオ「ゆ? 何? ハム先生?」

ハムト「ゆ……。ユーリンのライバルとして日夜訓練してるのニャ。」

マオ「なるほどなぁ。確かにユーリンは成績優秀だもんな。
   ちょっと頭は固いけど。
   あと、ハム先生と一緒にいる事多いけど知り合いなの?」

ハムト「ニャ? (こいつ脳筋っぽいのに鋭いニャ)
    トッターは見所があるのニャ。ハムトが直々に鍛えてやってるニャ。」

マオ「ふーん、まぁいいけどね。」


チャプター 18


ヌーヴェルハスマット君。ちょっと話がある。」

ハスマット「何ですか、先生。」

ヌーヴェル「この世界には慣れたかね?」

ハスマット「はぁ、まぁ。」

ヌーヴェル「君が魔族と言われる種族の血を引いていることを学園側は知っている。
      魔族と言っても、夢ノ国では、必ずしも悪という存在ではない。
      ご両親から、君が力を制御出来るようにして欲しいと頼まれている。
      魔族の力は負の力の影響を受けやすいそうだ。」

ハスマット「……。」

ヌーヴェル「君は、魔族であるため、今まで偏見に満ちた目で見られたそうだね。」

ハスマット「大した事じゃないっすよ。ちょっと怖がられただけっす。」

ヌーヴェル「しかし、魔族だけが負の力の影響を受けるとは言えないと思う。
      人間は、すぐに過ちを犯す。
      負の感情を生み出しているのは人間であると言える。
      若い時は、悪の誘惑に落ちやすい。」

ハスマット「俺が悪の道に走ったら、先生はどうします? 殺します?」

ヌーヴェル「吾輩は生徒を傷つけはしない。」

ハスマットヌーヴェル先生……。」

ヌーヴェル「……呪うけど。ガッハッハッハッハ。」

ハスマット「ひでえなぁ。まぁ、そうなった時は頼みますよ。」


チャプター 19


ユーリン「これで、ひとまず準備は完了ですね。」

マオ「あたしも、材料手に入れたよ。これでネガ焼きが作れるよー。」

ハムト「ネガ焼き?」

マオ「ネガルムルの足をたこ焼きみたいにするんだよ。ハム先生にはタダであげるよ。」

ハムト「ゲテモノっぽいニャ。」

シャオ「私が特別に調合した香辛料を使うので、味は保証します。」

ハスマットマオのネガ焼きは本当に美味いっす。」

ハムト「き、気分が乗ったら食べることにするニャ。」

ユーリン「トッターさん。文化祭では、学園最強決定戦があります。
     是非、あなたと戦いたいので参加してくださいね。
     未来の勇者が誰なのか?はっきりさせようじゃありませんか。」

ハムト「だってニャ。ゆ……トッター、戦ってあげるといいニャ。」

ユーリン「私が絶対勇者になってみせる!!」


第6話:狙われた学園

チャプター 20


夢ノ国と異世界を繋ぐ、次元の狭間。
そこには、黒キ者が住む喪界があった。
喪界は負の感情だけで出来た世界。
理想や希望の力で出来た夢ノ国とは真逆の存在である。

黒キ者「おい、シェルティー。ハスマットは、いつ裏切るんだ?」

シェルティー「お言葉ですが、黒キ王よ。何故、回りくどい手を使うのですか?
       許可をいただければ、私が学園ごとぶっ潰してご覧にいれます。」

黒キ者「裏切らせ、憎しみを生み出すことに意味があるんだ。
    それに、殺すと簡単に言うが、あの学園には勇者がいる。
    お前は勇者に勝てるのか?」

シェルティー「そ、それは……。」

黒キ者「時が来たら、お前の力を使えばいいんだ。
    前途ある若者の未来が閉じていくのを見るのは楽しいねぇ。
    シェルティー。あの変な生き物に力を与えけしかけろ。」

シェルティー「わかりました。」

黒キ者「アッハッハッハッハッハヒィ!!」


チャプター 21


シャオ「随分の数の魔獣のオーブが集まりましたね。
    あとはダンジョンの内部構造です。」

ユーリン「擬似的な結界で迷宮を作ります。」

ハムト「お化け屋敷みたいニャ、ダンジョンニャンやねー。」

マオ「どうやったら怖い迷宮になるかはヌーヴェル先生に聞けばいいね。」

ヌーヴェル「作るのは君達ですが、アドバイスは出来ます。
      禍々しく、背筋が凍りつく恐怖を提供してあげましょう。」

ユーリン「トッターさんは、お客様が使う模擬ウェポンオーブを選んでください。」

ハムト「ゆ……トッターはウェポンオーブならいっぱい知ってるニャ。」

ユーリンハスマットは魔獣のオーブを迷宮に配置してください。」

ハスマット「いいっすよ。」

ユーリン「みんなが勇者になれる。そんな出し物にしましょうね!!」

シャオ「気合を入れるのはいいですけど、生徒会の仕事もちゃんとやってくださいね。」


チャプター 22


ハスマットは教室を改造したダンジョンに魔獣を配置していた。

ハスマット「こういう事やってると魔族っぽいな……。」

マンドラ先輩「異世界の魔王の血を引くお前が、ケチな事してるじゃあねえか。」

ハスマットマンドラ先輩!?」

マンドラ先輩「お前の力で、界蝕を起こし、喪界を作る計画はどうなったぁ?」

ハスマット「いや、無理だと思いますよ。
      ここの生徒は、みんな強いですし。
      ハム先生もいるという事は勇者も近くにいるんじゃないかと。」

マンドラ先輩「賢くなれよ、ハスマット。黒キ王についたほうが得だぜ。
       俺達を迫害した連中を驚かせるチャンスじゃあねぇか。」

ハスマット「ここの連中は、俺を迫害しない。」

マンドラ先輩「おっと、ちょっと殺気が漲ってきたじゃあないの。
       それは、お前の本性を知らないからだ。
       俺が手伝ってぇ、やるぜぇ。」

マンドラ先輩の身体から膨大な魔力が流れ出す。

マンドラ先輩「黒キ王から借り受けた力を解放するぅ。
       マンドラ族の奥義、絶死の絶叫をくらぇえ。
       ドゥラァァァァァァァァァァァンッフゥ!!」

ハスマット「万年留年生のマンドラ先輩にこんな力が!?」

絶叫は途絶え、辺りは静まり返った。

ハスマット「って、なんも起こらないじゃないか。」

マンドラ先輩「力を失った魔獣を呼び覚ます。喪界の絶叫よ……。
       そして、マンドラゴラの宿命に従い、絶叫後の……。
       突然の死ぃ……。」

ハスマット「あ、おい。勝手に死ぬなよ。マンドラ先輩!!」

不意に、ダンジョンの内部が歪み始めた。

ハスマット「こ、これは……。捕獲した魔獣が実体化し始めている!?」


チャプター 23


ヌーヴェル「トッター君。大変だ!!吾輩たちのクラスから魔獣が溢れている!!」

シャオ「オーブ化した魔獣が、もう一度実体化するなんてありえません。」

ハムト「ぜ、絶対に大丈夫じゃなかったのニャ!!」

マオシャオ、理屈はいいから、早く魔獣を抑えよう。」

ユーリン「何故か、魔獣の力が増しているようです。皆さん、気をつけてください。」

迷宮内部ではハスマットが1人で魔獣と戦っていた。

ハスマット「魔獣の力がどんどん増しているっ!?1人では倒しきれない……。
      仕方ない。力を使うか……。」

ハスマットの髪が目に見える闘気で逆立ち、赤く染まる。
魔力を宿した瞳は真紅に燃え上がった。
真紅の魔神と化したハスマットは一瞬で周囲の魔獣を吹き飛ばした。

ハスマット「やはり、この世界では力が制御出来ない。」

轟音が迷宮を揺らし、学園内の結界を揺さぶった。

ユーリン「今の音は何!?」

ヌーヴェル「壁にヒビが入っている!?」


チャプター 24


壊滅した教室の前に、赤眼、赤髪の魔神が立っていた。

ハスマット「……。」

ハムト「あ、あいつ何なのニャ……。あいつがやったのかニャ?」

ヌーヴェルハスマット君!?」

マオハスマットォ!?」

シャオ「確かに魔力の波動はハスマットと同じですが、桁違いのものを感じます。」

ユーリン「これは、あなたがやったんですか?」

ハスマット「……。」

ユーリン「その力。あなたは魔神の力を使うのですか?」

ヌーヴェルユーリン君。待ちたまえ。何か事情があるはずだ。
      ハスマット君。落ち着いて力を制御する事だけに集中するんだ。」

ハスマットの周囲の生徒たちが、声を荒げ激しく非難した。
その中には、生徒に紛れ込んだシェルティーが居た。

シェルティー「(私の交侵術で生徒を操ってやるニャ)
       (不信感を煽り、負の力を増大させるニャ)」

ヌーヴェル「皆さん、お静かに!! ……呪いますよ?」

その言葉を聞くと生徒たちの怒号はぴたりと収まった。

シェルティー「(私の洗脳が止まった。あいつ、どれだけ生徒に恐れらているニャ)
       (面倒だから殺しちゃうかニャー)」

シェルティーは学園の制服から、いつもの姿へと変わった。
音も無く、一瞬でヌーヴェルの背後に近付く。

ヌーヴェル「お、お前は!? うあぁぁぁぁぁぁ!!」

シェルティー「バイニャラ。」

シェルティーの爪はヌーヴェルの背中を深く切り裂いた。

シェルティー「ハスマット。所詮、人間はこんなもんニャ。」

ハスマットヌーヴェル先生!!」

マオハスマット、お、お前、シ凶のシェルティーと知り合いなのか!!」

ユーリン「これは、あなたが仕組んだ事なんですか!?」

ハスマット「ち、違う。俺は、こんな事……。」

ユーリン「私はあなたを許さない!!」

ユーリンは剣を抜くとハスマットに斬りかかった。
シェルティーは再び生徒に交侵術をかけると、ハスマットに襲いかからせた。

シャオユーリン。落ち着きなさい!!ヌーヴェル先生の治療が先よ!!」

マオ「2人共!止めろ!!」

シェルティー「所詮、人間の信頼関係なんてすぐ崩れるニャ。」

ハムト「お、おいニャ!!(こいつ怖いけど、勇者が近くにいるから大丈夫なはずニャ)」

シェルティー「バカ猫じゃニャいか。」

ハムト「シ凶一番の小物シェルティー。このGTHは生徒に手を出す奴は許さないニャ!!
    (き、決まったニャ!!)」

シェルティー「大方、勇者が助けてくれると思って強気なのニャ?
       若者の不安は大きな負の感情を生むニャ。
       もうすぐ、界蝕が学園を飲み込むニャ。」

周囲の空間が歪み、中から魔獣が現れた。

ハムト「ゆ……トッター助けてニャ!!」


チャプター 25


ルー「学園が界蝕で包まれていきます!!」

テラス「中から結界が崩壊しているよ!!」

トト「アレウス兄さんの結界を壊せるのは魔神クラスの力が無いと無理だ!!」

アレウス「生徒が自分の力を制御出来なかったのかもしれない……。」

テラス「……。シェルティーの力を感じるよ!!」

ルー「南蛮シェルティーが内部にいるのですか?」

テラス「シェルティーが私と同じ交心術で生徒を操ったのかもしれない。」

アレウス「私は、界蝕の影響を抑えるために周囲に結界を張り直す。」

テラス「私は援軍を交心術で呼ぶよ。」

ルー「中に勇者様がいたのは不幸中の幸いでした。」

トト「ハムのヒト……足引っ張ってないといいなぁ……。」

界蝕の黒い霧が、学園を包む。
学園が喪界と化すのは時間の問題である。
学園を救う事が出来るのは、
勇者である「あなた」だけだ。


異界からの転校生 前編 完
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