シナリオ セブンズゲート~前編~
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オープニング
七夕。それは、1年に1度、2人の男女が出会い、人々の夢や願いがかなえられる日。
その日。確かに運命の2人の男女は出会い・・・
――――そして、世界は滅びた。
チャプター 1
ウッシー「やあ。僕、ウッシー。ウッシー君って呼んで欲しいウッシー。
これから勇者様のガイドとして全力でサポートするよ。よろしくウッシー。」
ハムト「ニャニャニャニャ!!お、お前なんニャ。そして、ここどこニャ。」
ウッシー「あなたは、もしかして。伝説のガイド。ハムトさんウッシー?」
ハムト「ニャ?伝説ニャ?」
ウッシー「同じ勇者様を補佐する者として尊敬しているウッシー。
ハムト先輩と呼ばせて欲しいウッシー。」
ハムト「ハ、ハムト先輩……(いい響きニャ)。ま、まぁ別にいいニャ。」
ウッシー「ありがとうございます!!ハムト先輩!!」
ハムト「それよりニャ!!ここ何処ニャ!!夢ノ国じゃないニャ!!」
ウッシー「立ち話も何なので、先に進みながら話すウッシー。
途中、魔獣が出ることもあるウッシー。
でも、勇者様なら余裕ウッシー!!」
チャプター 2
あなたが魔獣と戦っている頃。
ウッシー「ハムト先輩。」
ハムト「なんニャ。」
ウッシー「はっきし言って、ハムト先輩だと力不足だと思うウッシー。」
ハムト「何がニャ!!」
ウッシー「ガイドウッシー。
修羅場をくぐった僕こそガイドに相応しいウッシー。」
ハムト「こ、こいつ。結構腹黒いニャ。」
ウッシー「きっと勇者様も、そう思っているウッシー。」
ハムト「勇者はハムトの相棒なんニャ。
お前の様なポッと出の新人に相棒は務まらんニャ。」
ウッシー「僕はこの世界の勇者の補佐もしてるエリートガイドウッシー。」
ハムト「別の勇者がいるニャ?」
ウッシー「それは後のお楽しみウッシー。」
ハムト「こいつには絶対敗けたくないニャ……。」
チャプター 3
ウッシー「突然で驚いたと思うウッシー。ここは夢ノ国であって夢ノ国ではない場所。
機界と呼ばれる、夢ノ国の未来の姿ウッシー。」
ハムト「ニャ?ニャ?ニャんだってーーーーーー!!
そ、そんなの信じられないニャ!!これは悪い夢ニャ。そうニャろ。勇者。」
ウッシー「勇者様とハムト先輩は、刻ノ扉をくぐって、ここに来たのでは?」
ハムト「ニャ?そういえばそうニャ。」
ウッシー「きっと、次は回想シーンウッシー。」
ハムト「こ、こいつ。メタ発言できるニャ……。
(本当にガイドなのかニャ……。)」
チャプター 4
数時間前。あなたは王都の広間にいた。
ルー「そろそろ夢ノ国に七夕が訪れますね。」
テラス「わーい。願い事を短冊に書くよー。」
アレウス「そう浮かれてはいられないぞ。」
トト「願いの力が強くなりすぎると、界蝕が起こる可能性も高くなる。」
ハムト「季節のイベント事に、何かしら起こるのニャ。」
ルー「最近は黒キ者の活動も活発になっていますしね。」
ハムト「今回も季節のイベントを護る戦士がいるのニャ?」
テラス「いるよー。ベガちゃんとアルテアくん。」
ハムト「七夕は2人なのニャ?いつも5人くらいいるニャ。」
アレウス「そうなのだ。七夕を護るとは方向性が違うのだが……。」
ルー「ええ、ちょっと困った人たちでして……。」
トト「勇者のヒトとハムのヒトは七夕の伝説知ってる?」
ハムト「織姫と彦星という愛し合う2人が1年に1度だけ会えるってのニャ?」
トト「そうそう、それ。切ないラブロマンスだよねー。
でも、夢ノ国ではちょっと違うんだよ。
折姫流と彦星流で、1年に1度、どちらが多くの魔獣を狩れるか勝負するんだよ。」
アレウス「折姫流は武術。彦星流は魔法を使う。」
ハムト「ロマンチックの欠片もない連中ニャね……。」
ルー「出来れば勇者様に2つの流派の仲裁をして欲しいのです。」
その時、あなたの前に刻ノ扉が現れた。
アレウス「どういう事だ。まだ七夕は、はじまっていないぞ。」
トト「夢ノ国の危機に反応して出現する刻ノ扉が現れるなんてただ事じゃないね。」
テラス「何か、嫌な予感がするよ~。」
ルー「勇者様。刻ノ扉を使って、何が起こっているか調べてきてもらえますか?」
ハムト「大袈裟過ぎニャね~。勇者、いつもみたいにパパっと片付けるニャ。」
あなたは一歩踏み出し刻ノ扉を越えた。
あなたの身体は光となって飛んだ。
光となりながら、奇妙な違和感を覚えた。
遠くで黒キ者の声が聞こえた気がした。
チャプター 5
ハムト「勇者と刻ノ扉をくぐっただけニャ。未来とか嘘ニャ。
そ、そうニャ。神官の連中は何処ニャ?聖王様は何処ニャ?」
ウッシー「神官?誰の事ウッシーか。
神官の事はわかりませんが、聖王様は姿を見せなくなったと聞くウッシー。」
ハムト「ガイドは聖王様に選ばれるはずニャ。」
ウッシー「知らないウッシーなぁ。」
ハムト「ニャニャニャ!!ここ本当に夢ノ国なんかニャ!!」
ウッシー「とにかく先にいくウッシー。」
チャプター 6
ウッシー「僕たちの世界では、いつか救世主が現れると言われてたウッシー。
それが勇者様だと思うウッシー。
教皇ルー様が言った通りウッシー。」
ハムト「教皇ルー?」
ウッシー「そうウッシー。」
ハムト「それが神官ニャ。ルー偉くなったのニャ。会わせるニャ。」
ウッシー「残念ながら教皇ルー様は行方不明となったウッシー。」
ハムト「ルーの仲間いたニャろ?」
ウッシー「ウォリアー・アレウス。導師テラスの事ウッシー?」
ハムト「ウォリアー? 導師?あいつら何やってるニャ。」
ハムト「ニャんでトトはいないニャ。」
ウッシー「みんな行方不明ウッシー……。
みんな。あの男にやられたウッシー。」
ハムト「く、黒キ者ニャ?」
ウッシー「黒キ者?八つの腕を持つ男ウッシー。」
ハムト「黒キ者じゃないニャ?八つの腕???」
ウッシー「スクエニゲームをやっているハムト先輩なら知っているはずウッシー。」
ハムト「し、真・ギルガメッシュニャ……。それはヤバイのニャ……。
ちょっと待つニャ。トトはどうしたニャ?」
ウッシー「トトって誰ウッシー?そんな人知らないウッシー。」
ハムト「一体、どういう事なのニャ……。」
チャプター 7
ウッシー「ある七夕の日。世界は真・ギルガメッシュの大群に襲われたウッシー。」
ハムト「真・ギルガメッシュがそんなにいるはずないニャ。」
ウッシー「それは何故かわからないウッシー……。」
ハムト「ハムトと勇者はどうすればいいニャ。」
ウッシー「ニャハニートと言われてるだけあって情けないウッシーなぁ。」
ハムト「お、お前。ハムトはニートちゃうニャ。ん? ニャんでその呼び名を知ってるニャ。」
ウッシー「博士が言ってたウッシー。」
ハムト「博士ニャ?誰ニャそいつ?」
ウッシー「博士は博士ウッシー。
詳しい事は博士に聞いて欲しいウッシー。」
チャプター 8
あなたの前に巨大な廃墟が横たわっていた。
破壊し尽くされ、原型を留めない建物の数々。
あなたは廃墟に、何処か懐かしさを覚えていた。
ハムト「ゆ、勇者……。こ、これは王都ニャ。
ここは本当に夢ノ国ニャったのニャ……。
王都は地上に落ちたのニャ……。」
ウッシー「ここはかつて王都と言われてたウッシー。」
ハムト「も、もうハムトにはどうしていいかわからんニャ。」
ウッシー「ハムト先輩は情けないウッシーなぁ。」
ハムト「うるさいニャ!!」
ウッシー「ここにはある特別な装置があるウッシー。」
ハムト「装置ニャ?」
ウッシー「タァイムマッスィーン。ウッシー。」
ハムト「タイムマシーン!!って言い方ムカつくニャア。」
ウッシー「でも、番人がいて取り戻せないウッシー。
番人を倒せるのは勇者様だけウッシー。」
ハムト「それがあるとどうなるニャ?」
ウッシー「博士がタァイムマッスィーンを作ったのですが敵に奪われたウッシー。
博士は、勇者様がこの時代に現れると知っていたウッシー。
タァイムマッスィーンは厳重に保管されていたから敵は壊せなかったウッシー。
ルー教皇のオーブの力とウォリアー・アレウスの結界の力がかかってるウッシー。」
ハムト「勇者。帰るためにはタイムマシーンが必要ニャ。頼むニャ。」
チャプター 9
あなたは番人を倒した。
番人の横には白い柩に似た大きな物体が置かれていた。
油圧が抜ける様な音と共に、柩の蓋が開き始めた。
ヴェルヌ「ここは……。」
中から一人の少女が起き上がると、まっすぐあなたを見つめた。
ヴェルヌ「あなた、もしや。勇者様では。私の名前はヴェルヌ。」
ハムト「ニャニャ!!タイムマシーンって聞いたのに女の子ニャ!!」
ウッシー「間違ってないウッシー。ヴェルヌは人型タァイムマッスィーンウッシー。」
ヴェルヌ「そうです。私は人型戦闘アンロイド兼タイムマシーンです。」
ハムト「ハムト達を元の時代に戻して欲しいニャ!!」
ヴェルヌ「それは出来ません。ハムのヒト。」
ハムト「ニャニャんで!!」
ヴェルヌ「私は完全な状態ではないのです。博士の調整が必要です。」
ウッシー「勇者様。博士の所へ行くウッシー。」
機界となってしまった夢ノ国。あなたは元いた世界へ戻れるのだろうか。
チャプター 10
ヴェルヌ「この世界の勇者も連れて行きます。
過去を変えるには、過去に起こった事件と関係ある人も必要です。」
ハムト「それがこの世界の勇者ニャ?この世界の勇者って誰ニャ?」
ヴェルヌ「シグニとアリデッドです。」
ウッシー「ちょっと、僕の仕事取らないで欲しいウッシー。ガイドが説明するウッシー。」
ハムト「ニャンか……。こんな光景何処かで見たニャ。」
ヴェルヌ「シグニはウォリアー・アレウスの弟子です。
アリデッドは折姫ベガの弟子です。」
ハムト「アレウスの弟子とベガの弟子かニャ。
アレウスは知ってるけどベガは会ってないニャ。」
ヴェルヌ「ベガは、この事態を招いた張本人と言われています。
しかし、その真相はわかりません。
数年前、八つの腕を持つ男に倒されてしまったと聞きます。」
ハムト「それで、その2人の勇者は何処にいるニャ。」
ヴェルヌ「各地で反乱軍を率いて戦っています。」
ハムト「他の連中はどうしたニャ?」
ヴェルヌ「勇者様と聖王様が消えてから急激に力を失ったそうです。」
ハムト「ニャんて事ニャ……。」
ウッシー「なんか、説明しないの楽になってきたウッシー。」
ハムト「諦め早っ!!こいつ、ガイドの誇りないニャ。」
ヴェルヌ「私には千里眼の力が備わっています。この世界の勇者の元へご案内します。」
チャプター 11
あなたが廃墟を進むと、敵に追われ逃げ惑う民衆に遭遇した。
ハムト「人がいたニャ!!」
民衆と敵の間に1人の青年が割って入る。
ハムト「危ないニャ!!」
シグニ「天河両断!!俺の剣に断てぬ物なし!!」
ウッシー「あれがシグニウッシー。おーいシグニー。」
シグニ「また何処かで油を売っていたのか?そちらの人は?」
ヴェルヌ「久しぶりね。シグニ。」
シグニ「ヴェルヌ。まさか、ヴェルヌなのか!?
という事は、まさか……。あなたは伝説の救世主。勇者様……。」
チャプター 12
ウッシー「そうウッシー。ウッシーが連れてきたウッシー。」
ハムト「嘘言ってんじゃねーニャ。」
シグニ「あなたは、もしかしてハムのヒトですか?」
ハムト「ニャ?そういえば、ヴェルヌもハムトの事、ハムのヒトって呼ぶニャ。」
シグニ「博士から話をよく聞くのです。」
ハムト「博士ってトトって名前じゃニャい?」
シグニ「博士の本名は誰も知らないのです。ただ博士と……。
ルー教皇、アレウス師匠、テラス導師と知り合いだったとは聞いています。」
ハムト「トトニャら。タイムマシンを作れそうニャ。」
ウッシー「タァイムマッスィーンです。」
ハムト「うるさいニャあ。お前。」
シグニ「それでは、姉さんと合流しましょう。」
ハムト「姉さん?アリデッドってシグニのお姉さんニャの?」
シグニ「それぐらい説明しておけよ。ウッシー。」
ウッシー「忘れてたウッシーな。あまり気にするなウッシー。」
ハムト「こ、こいついい加減だニャあ。」
シグニ「勇者様。俺と姉さんは通信機を持っています。合流するのは難しくないです。
ヴェルヌの千里眼もあります。一緒に行きましょう。」
チャプター 13
シグニ「俺、いつもアレウス師匠から勇者様の事聞いていました。」
ハムト「シグニも勇者なのニャ?」
シグニ「いえ、俺なんか勇者様の足元にも及ばないです。
勇者様の様に強くなれっていう意味で俺達を勇者って呼ぶようにしたんです。」
ウッシー「本当の勇者は勇者様だけウッシー。」
ハムト「ウッシー……。お前、シグニの相棒じゃニャいのかよ。」
シグニ「こいつ、はじめからこうなんですよ。ずっと勇者様の事待ってたみたいです。」
ウッシー「ガイドやるからには頂点目指したいウッシー。
ハムト先輩の様に猫キャラだけに頼りたくないウッシー。」
ハムト「ハムトは猫キャラだけに頼ってないニャ!!」
ウッシー「さあ、勇者様。いくウッシー。」
チャプター 14
僅かな殺気が、あなたの肌を打つ。
反射的に振り向くと、そこには1人の女性が立っていた。
アリデッド「驚いた。あたしの殺気に気付くとは。流石勇者様ってやつだね。」
シグニ「姉さん。勇者様に失礼だろう。」
アリデッド「勇者様は、そんな器は小さくないはずさ。
あたしらと違って『本物』なんだからさ……。」
シグニ「勇者様。俺の姉のアリデッドです。」
アリデッド「はじめまして。と言った相手が何人いなくなった事やら……。」
ハムト「なんだか荒んでいるのニャ。」
アリデッド「あら、あんたがハムのヒトかい?え?ヴェルヌもいるのかい?」
ヴェルヌ「お久しぶりです。アリデッド。」
ハムト「未来でもハムト有名人なのニャ。」
ウッシー「ニートなガイドとして有名ウッシー。」
ハムト「ハムトはニートじゃないニャ!!」
アリデッド「うちのウッシーより愛嬌があるじゃない。」
シグニ「伝説の勇者のガイドだけあるよね。」
ハムト「嬉しいニャ。」
ウッシー「チッ……。」
ハムト「ニャ?」
ウッシー「みんな、揃って嬉しいウッシー!!」
シグニ「うざい……。」
アリデッド「うざい……。」
ヴェルヌ「うざい……。」
ハムト「ニャ……。」
チャプター 15
ハムト「何処に向かっているのニャ?」
シグニ「博士の移動研究所ですね。」
ヴェルヌ「移動研究所は私とリンクしていますので、場所はわかります。」
アリデッド「博士は敵に見つからないように隠れて行動しているんだ。」
ウッシー「何故か博士は敵の行動を事前に察知できるウッシー。」
シグニ「こっちは見つけられないのに、博士は俺達を見つけられるんですよ。」
ハムト「ねぇ、勇者。もしかして博士って、千里眼使えるのじゃニャいか?やっぱりトトだと思うニャ。」
ヴェルヌ「ここです。」
ヴェルヌが、あなたを案内した場所は、ただの岩場だった。
ハムト「何にもないニャ。」
突如、あなたの前に鳥を思わせる巨大な乗り物が現れた。
ウッシー「移動研究所ウッシー。」
シグニ「中に入りましょう。」
アリデッド「ここに来るのも久しぶりだわ。」
ヴェルヌ「研究所に結界がかかっています。
しかし、敵はすぐに追ってきます。急ぎましょう。」
チャプター 16
優しい陽の光とは無縁の大地。
切り立った岩場に、その男はいた。
黒キ者「未来まで吹っ飛ばされたのは面白かったが……。
こんな事になってるとはな。
これは俺が欲しい世界じゃねぇ。
俺と勇者は切っても切れぬ縁。何とか過去に戻るか。
アッアッアッハッハッハッハヒィ!!」
チャプター 17
研究所の内部は、迷宮の様に入り組んでいた。
ヴェルヌ「博士の元へ容易に行けないよう次元を捻じ曲げています。
研究所自体もウォリアー・アレウスの結界で護られています。
敵が博士を排除するには、この迷宮を進むしかないのです。」
ハムト「ニャるほどな。ハムト達はすんなり通して欲しかったニャ。」
シグニ「下手に解除すると敵に襲撃される可能性があります。」
アリデッド「これぐらい伝説の勇者さんには余裕だろ。」
シグニ「姉さん。あんまり勇者様に絡むなよ。ごめんさい、勇者様。」
ハムト「お、おいウッシー。メイドロボにガイド役取られてるニャ。」
ウッシー「ほっとけばいいウッシー。面倒ウッシーなぁ。」
ハムト「こ、こいつ……。ガイドの風上にもおけないニャ。」
ウッシー「伝説の勇者のガイドになるウッシー。それが僕の夢ウッシー。
そして、ハムト先輩の様に自堕落に生きるウッシー。」
ハムト「こいつ、本物のクズニャ……。」
チャプター 18
遂に、あなたは研究所の最深部に辿りついた。
そこは、かつての王都の広間を彷彿とさせる場所だった。
博士「よく来たね。勇者のヒト。ハムのヒト。」
ハムト「トトニャ!!お前トトニャ!!」
博士「トト?それはかつて神官と呼ばれたトトの事かね?」
ハムト「お前がトトニャ。」
博士「ボクは、ただの博士だよ。勇者が来るのを待つ事しか出来ない。無力な男さ。」
ウッシー「ハムト先輩。博士は博士ウッシーよ。トトって人じゃないウッシー。」
博士「この世界の事を説明しておこう。
あの災厄ノ七夕の日。世界は一変してしまった。
この世界は夢ノ国ではなく、機界に変わってしまったんだ。
機界とは真・ギルガメッシュが居た世界に近い世界。
機界となった夢ノ国は他の世界と繋がる事もなく、荒廃していった。
全ては、あの日。勇者のヒトが刻ノ扉をくぐった瞬間に起こったんだ。」
アリデッド「あたしの師匠であり、母であるベガが失敗したんだ……。」
ハムト「お母さんニャ!!」
シグニ「母は、勇者様と一緒に戦うはずだったんです。」
アリデッド「でも、父さんと出会ってしまった。」
ハムト「お父さんニャ?」
シグニ「そう。彦星流の後継者アルテアです。」
ハムト「きっと、恋に落ちたのニャ。七夕らしいのニャ。」
チャプター 19
ヴェルヌ「それが違うのです。」
ハムト「これ七夕イベなんだよニャ?」
シグニ「父さんと母さんは恋をする所か、対抗意識むき出し。」
アリデッド「血で血を洗う戦いを繰り広げたのです。」
ウッシー「天の河じゃなくて。血の河が流れたウッシー。」
ハムト「さらっと怖い事いうニャ!!そして、ドヤ顔すんニャ。上手い事いったつもりニャ!!」
シグニ「2人とも傷ついた状態では、真・ギルガメッシュに勝てる訳もない。」
アリデッド「しかも、母は大きな間違いを犯していた。私達はそれを伝えなければならない。」
博士「その事件のせいで夢ノ国は機界となってしまった。
夢ノ国の勇者である勇者のヒトは消えてしまった。
おそらく存在できなくなってしまったんだよ。然るべき時までね。
勇者のヒトと対を為す存在の黒キ者も消えてしまった。
機界となった時点で黒キ者も世界から弾かれてしまったのかもしれない。
そして、聖王様も姿を消した。
世界は真・ギルガメッシュが破壊を繰り返す世界になった。
ボクは、刻ノ扉と同じ様に時間と距離を超越出来るタイムマシーンを作り上げた。
勇者のヒト。ハムのヒト。アリデッド。シグニ。
そして、黒キ者が揃えば。刻ノ扉は開く。ヴェルヌが起動できるんだ。」
ウッシー「ちょっちょっと!!ウッシーは。」
博士「ああ、牛のヒトか。牛のヒトはあんま関係ないから残ってもいいよ。」
ウッシー「いや、行くウッシーよ!!」
その時、研究所が大きく揺れた。
シグニ「敵だ!!」
ヴェルヌ「博士。私の最終調整を急いでください。」
博士「わかった。」
アリデッド「あたしらは研究所に入り込んだ敵を倒す。」
チャプター 20
博士「この世界は機界に変わろうとしている。
夢ノ国の力を持つ者を排除しようとしているのさ。」
ハムト「そんな事はあるのかニャ。」
博士「本来、起こらない事が起こった。
この歴史は有り得ないんだよ。
勇者のヒトには、正しい歴史に直して欲しいんだ。」
ハムト「直すとどうなるのかニャ?」
博士「この世界はなかった事になる。
それもあって、シグニ達を連れていって欲しいんだ。
彼等は、間違った形で確かな存在になってしまった。
だけど、かつての夢ノ国ならば生きる事が出来るはずだ。」
ウッシー「グーグー……。」
ハムト「寝てんじゃねー!!このバカ牛。ガイドの役目ニャろが!!」
ウッシー「ごめんウッシー。ハムト先輩がいるからいいと思ったウッシー。」
ハムト「博士はどうするニャ。」
博士「ボクは大丈夫だ。本当だよ。神官達を救ってくれ。
あの頃のように戻して欲しいんだ。勇者のヒト。」
ハムト「トト……。」
博士「ダメだ。その名前を何度も呼んでは。
敵が異分子であるボクらを認識できてしまうんだ。」
ハムト「ニャンだって!!」
チャプター 21
迷宮の中まで入ってきた敵と戦い続けるシグニとアリデッド。
残された時間は少ない。
シグニ「本当に未来を変える事が出来るんだろうか……。」
アリデッド「あの勇者様が現れたから、あたしらはお払い箱って訳さ。」
シグニ「そんな事はないさ。」
アリデッド「わかっているさ。でも、結局あたしらは世界を救えてない。」
シグニ「勇者様に賭けるしかないって事か。」
アリデッド「所詮偽りの勇者の役割を演じてただけなのさ。」
シグニ「そろそろ博士の下へ戻ろう。」
アリデッド「そうだな。でも、しつこい敵だ。数が多すぎる。」
シグニ「敵もこれが最後の戦いだって気付いてるのかもね。」
チャプター 22
ヴェルヌ「最終調整が終わりました。」
博士「どうやら研究所も持たなくなってきている。みんな急いでくれ。」
ハムト「黒キ者も必要なんニャろ?」
博士「あいつはほっておいても大丈夫さ。勇者のヒトと因縁があるからね。」
ウッシー「なんか敵がすぐそこまで来てるウッシー。」
ヴェルヌ「タイムマシーンにトランスフォームします。」
ハムト「トランスフォーム?」
ヴェルヌは質量を無視した複雑な変形をはじめた。
そして、一瞬で宇宙船のような姿へと変形した。
ヴェルヌ「完了しました。」
ハムト「ありえねーニャ。ニャんニャこれ!!」
博士「カッコイイでしょ。」
ハムト「お、お前……。性格は変わらんのニャ。
シグニとアリデッドがまだニャ。2人を待つニャ。」
チャプター 23
シグニ「ダメだ。敵を振り切れない。」
アリデッド「ここまで来て……。」
シグニ「でも、勇者様だけでも過去へ行ければチャンスはある。」
アリデッド「諦めるな。もう一度父さんと母さんに会うんだ。」
黒キ者「アッアッアッハッハッハハ。」
アリデッド「お、お前は誰だ。見たこともない敵だ。」
黒キ者「勇者と呼ばれてる癖に諦めの早い奴らだ。
俺と並ぶには足りねえなぁ。」
アリデッド「邪悪な気を感じる。」
黒キ者「さっさといけよ。敵は俺がひねり潰してやるぜ。」
シグニ「なんで、俺達を助ける?」
黒キ者「面白そうだからな。あと、この世界になられると都合が悪い。
アッアッアッハッハッハハヒィ!!」
黒キ者が奇妙な笑い声を上げ腕を振ると、一瞬で敵が消滅した。
シグニ「つ、強い。」
アリデッド「なんだかわからないが、今は博士の下へ戻ろう。」
黒キ者「アッアッアッハッハッハハヒィ!!」
チャプター 24
ハムト「帰ってきたニャ。シグニとアリデッドが帰ってきたニャ。」
ウッシー「二人共怪我しているウッシー。」
博士「敵がすぐそこまで来てる。
勇者のヒト。2人を襲おうとしている敵を倒して欲しい。
あの2人を絶対過去へ送りたいんだ。」
ハムト「やってやるニャ。そして、帰るのニャ。」
ウッシー「ウッシーはタァイムマッスィーンに先入ってるウッシーよ!!」
ハムト「こ、こいつ……。」
チャプター 25
ハムト「やったニャ。早く2人ともタイムマシーンに乗るニャ。」
ヴェルヌ「次元転移まで、あと30秒です。」
シグニ「ありがとう。勇者様。」
アリデッド「あたしらの伝えたい言葉……。」
シグニ「伝えたい思い……。」
ハムト「元の歴史に戻るニャ。」
博士「……。」
ハムト「博士も来るニャ。」
博士「勇者のヒト。ハムのヒト。
ボクは普通のヒトと違う。
おそらく2人は存在出来ない。」
ハムト「やっぱりトトニャ。」
博士「安心して、過去を変えれば未来も変わる。」
ハムト「……。」
博士「さようなら。勇者のヒト。ハムのヒト。」
あなたの前でゆっくりとタイムマシンの扉が閉まった。
タイムマシンは光の粒子となって次元を越えようとしている。
懐かしい感覚があなたを包む。夢ノ国へ帰るのだ。
博士「信じているよ。勇者のヒト……。」
チャプター 26
ベガ「よーしっ。今年も張り切って折っていこう。
確か、今年の七夕に来るのは真・ギルガメッシュとか言ったわね。
勇者と彦星流のアルテアと協力しろと言われているけど。
あたし1人で楽勝よ。
待ってなさい。七つの腕を持つ男!!」
アルテア「ふん。貴様では無理だ。」
ベガ「お前はアルテア!!」
アルテア「泥臭い関節技等で真・ギルガメッシュが倒せるか。」
ベガ「なんだって!!あなたから七夕血祭りにしてあげるわ!!」
アルテア「ふん……。」
悲劇の歴史は繰り返されるのか……。セブンズゲート後編へ続く……。
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